イベントレポート
「東北大学MICHINOOK コミュニティセミナー vol.3『最先端の食・農研究におけるイノベーションの創出―社会の信頼と価値の創造―』」を開催!
MICHINOOK コミュニティセミナーvol.3「最先端の食・農研究におけるイノベーションの創出」を開催しました。
2024 年11 月29 日(金)、MICHINOOK コミュニティセミナーvol.3「最先端の食・農研究におけるイノベーションの創出」を実施しました。東北大学農学研究科は、食料・健康・環境にかかる課題に取り組むべく、様々な研究や共創プロジェクトを展開しています。この日は東北大学農学研究科に所属する4名の研究者にご登壇頂き、現在推進中の取り組みを紹介頂きました。
張替秀郎理事による開会挨拶では、東北大学農学研究科の活動概要を紹介するとともに、コミュニティ活動を通じた産学連携への期待を述べました。

北澤春樹農学研究科長・教授からは、東北大学農学研究科・農学部の取り組みとともに、イムノバイオティクス*乳酸菌に関する研究内容の紹介がありました。北澤教授は「東北大学農学研究科の研究を通じて、誰もが百歳まで元気に長生きできる世界を実現していきたい」と述べられ、薬のみに頼らない健康生活の実現に意欲を示されました。
*イムノバイオティクス:粘膜免疫調節機能を発揮する乳酸菌等のプロバイオティクス(一定量を摂取することで生体に有益な効果を示す生きた微生物)

仲川清隆農学副研究科長・教授からは、ナトリウムと質量分析装置を利用した酸化脂質の新たな解析法の開発と、従来は不可能とされた「酸化脂質から活性酸素の種類を同定する」方法について紹介、今後も酸化の研究を通して、健康や産業に貢献したいという展望を述べられました。
原田昌彦教授は、ナノテラスを用いた様々な物質(冷凍水産物から枝豆、かまぼこ、粉ミルク、日本酒など)の内部構造の解析についての紹介がありました。原田教授は「生体や食品などの様々なマテリアルにとって、原子や分子が作り上げる階層構造の解明は非常に重要であり、今後もナノテラスを用いて迫りたい」と述べられました。
大谷隆二教授は、衛星データを活用した可変施肥(作物の生育や土壌などのばらつきに合わせ、圃場の状況に応じた施肥を行う技術)や「せんだい次世代スマート農業・生産技術ゼミ」など、ご自身が中心となって推進しているスマート農業の取り組みについて紹介がありました。
4人の研究者による講演終了後は、ポスターセッション・ネットワーキングが実施されました。会場内では、東北大学農学研究科の研究者が説明に立ち、次世代食産業創造センターや、農学研究科附属複合生態フィールド教育研究センターの取り組み、文部科学省の世界トップレベル研究拠点プログラム(WPI)として認定された変動海洋エコシステム高等研究所(WPI-AIMEC)の取り組みなど、東北大学の多岐にわたる研究内容の紹介があり、多くの参加者がポスター発表を熱心に聞き入る姿が見られました。また、東北大学の農学研究や企業との共創から誕生した数々の製品の紹介もあり、活気のあるポスターセッション・ネットワーキングとなりました。


「閉会の挨拶」では、湯上浩雄副学⾧より来場された皆様に御礼申し上げるとともに、今後の更なる活動の展開に期待を寄せる言葉が贈られました。

以上